危険なインプット | Roscellinus Compendiensis

危険なインプット

 少子化が進むにつれて門戸が開かれるかと思っていた難関大学では、逆に偏差値が上がりハードルが高くなっています。一方、下位大学はさらに偏差値が下がり高等教育機関としての運営が厳しいというのが実情です。

 

 この現象は簡単なことで「いい大学」を卒業すれば、「いい企業」に入れるという信仰によるものです。これは日本だけではなく、アメリカやヨーロッパではより高度な学歴社会となっています。

 

 しかし、企業の側も学歴というだけの危険なメルクマールを採用の基準にしてはいません。偏差値に見合う知識を詰め込んだとしても、それをベースに応用発展させてアウトプットできなければ戦力して計算できないからです。ですから、上位大学になればなるほどこのアウトプットの能力が合否の判断材料にされます。

 

 いうまでもなく、知識だけの「いい大学」の人は否定されるでしょう。知識を取り込むだけで受け入れてくれるような甘い社会ではなくなったのです。インしたものはアウトできないとバランスの取れた人材とはいえないのです。

 

 永遠に採用側と採用される側は戦うことになりますが、現状採用側がただの「いい大学」の人を避けているのは事実です。他方でアウトプットできる人は即戦力としての期待値が高い需要の高い存在として扱われます。

 

 要はインプットの容量ではなく、そこそこのインさえあればアウトプットする能力さえ伴えば通用する社会だということです。