ベルクソン『笑い』 | Roscellinus Compendiensis

ベルクソン『笑い』

笑い (岩波文庫 青 645-3)/岩波書店

¥713
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 難しいことを徹底するベルクソンには珍しいタイトル。しかし、内容はベルクソン流の世界観が反映されています。よくイメージして読まないと何が言われてるのかが分からないと思います。

 ベルクソンは笑いを分析し、笑いの要素を人間的なもの、笑うものの無関心、こわばりだと述べています。笑いのなかの人間的なものとは、笑われる対象が人間に集約されるもの。他方、笑うものの無関心とは笑うべき対象に無関心であること。そして、こわばりとは社会的しなやかさ(常識)に反対する動きであり、このときこわばりは笑いを示しています(笑いを社会の側からの懲罰とも考える)。

 ベルクソンは、人間の精神や身体のこわばりが笑いに繫がると考えています。同意する部分もありますが、ベルクソン流の難解な用語、表現は難しいので何度も読み返すのが良いと思います。