ユーロかドラクマか? | Roscellinus Compendiensis

ユーロかドラクマか?

 いよいよ先行きに暗雲が見えてきたギリシャ危機。マスメディアはやたら「危機」を煽っていますが、これはアルゼンチンのケースと同じ。
 
 アルゼンチンの場合は、ドルペッグ制を停止したことが功を奏し以後の経済成長に繫がるのですが、ギリシャの場合どうでしょうか?アルゼンチン同様に一度ユーロから離れて自国通貨ドラクマに戻るのか。

 現状の預金は恐らくユーロ建て預金からドラクマに換金されるので、さらに銀行から預金を引き出す行動は加速するでしょうし、アルゼンチンがそうだったようにしばらくは経済成長は数字に出てこないでしょう。しかし、アルゼンチンの自立を鑑みると、最初低い位置で経済状態が安定し、やがてステージがどんどん上昇するという見立ても成立するように思われます。

 私見ではギリシャ危機を食い物にしているユーロの大国の飼い犬になるよりも、一旦離脱するのがいいと思います。「分相応」という言葉がありますが、自国民に痛みを強いるユーロが求める政策、つまり法人税の上昇を抑制して、付加価値税を上げるよりは、ギリシャ現政権が打ち出している法人税の上げ幅を高くし、付加価値税の上げ幅を抑制する方が今そこにある痛みが少ない。

 ただし、成功するにしても失敗するにしても痛みはギリシャ国民に強いられるので、ギリシャ国民が国民投票でどうするのかは、対岸の火事ではなく日本にも起こり得るのだという気持ちで待たねばなりません。

 現政権が社会主義的政策を打ち出しているからと批判する声がありますが、これは聞く理由もないでしょう。どの階級にも平等な政策を考えると、自動的に社会主義的色合いが出るものです。これはどの国でも同じですし、私は資本主義者でも社会主義者でもありません。なら共産主義者か!と思われるかもしれませんが、何主義者でもありません。